何かビジネスを始める際は、自分で一からサービスや製品を開発することが一般的です。ただ、一からサービスや製品を開発するためには、膨大なコストがかかります。そこで注目されているのが「OEM」です。
OEMとは他社サービス・製品の製造をすることや、それを行う企業のことを指します。OEMを活用すれば、自分で一からサービス・製品を開発する必要がないため、コストを抑えながらビジネスを展開することができます。
今回は中国にある企業に製造を委託してビジネスを展開する「中国OEM」について詳しく解説していきます。基礎知識だけでなく、やり方まで詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
中国OEMとは
OEMとは、Original Equipment Manufacturingの略で、ブランド側から依頼されたサービス・製品を開発・製造することや、それらを請負う企業のことを指します。
OEMという言葉を聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、実際のところ私たちは日常生活においてOEMに触れています。
自動車業界においては、特にOEMが進んでいます。トヨタのライズとダイハツのロッキーは、OEMで生産されている車の一つです。見た目はほとんど同じなのに、違うメーカーから販売されていることを不思議に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。企画から開発、製造までは全てダイハツ側が請け負っており、トヨタ側がOEMで販売しているという形になります。
ダイハツにとってはトヨタという知名度を活かして販売台数の増加が見込める、トヨタにとっては開発コストを削減できるといったメリットがあるのです。
日本国内の企業・メーカー同士のOEMは「国内OEM」と呼びますが、中国の企業やメーカーに商品の製造を委託する場合は「中国OEM」と呼びます。
中国で製造されたノーメーカーの製品に自社ブランドのロゴを印字し、オリジナルブランドとしてAmazonなどのECサイトで販売する手法が代表的です。
中国OEMのやり方
ここからは、実際に中国OEMを行うやり方をご紹介します。
中国OEMにはいくつか種類がありますが、ここでは比較的挑戦しやすい「簡易OEM」のやり方について解説していきます。
これから、中国OEMへの参入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
- やり方①:タグをつける
- やり方②:ロゴを付ける
- やり方③:複数の商品をセットで販売する
やり方①:タグをつける
1つ目のやり方は、中国で製造された商品にオリジナルのタグを付けて販売する方法です。
この方法では、商品の企画・開発を行う必要がないため、誰でも簡単にローコストで商品を販売できます。中国で安く製造されているシャツやタオルに自社ブランドのタグを付けて販売するだけです。
タグのデザインに関しては、クラウドソーシングなどを活用して専門の方に依頼することもできるので、実質商品にタグを付ける作業のみで商品を販売できます。
やり方②:ロゴを付ける
2つ目のやり方は、中国で製造を行う段階で商品にロゴやデザインをプリントして販売する方法です。
商品の製造を担う中国の企業・メーカーに対して、事前にプリントしてほしいロゴやデザインを伝えておくことで、商品の製造に必要なリソースを削減できます。
ただ、最初の発注時には、中国の企業・メーカーとロゴやデザインの認識をすり合わせておく必要があります。認識が異なっていると、イメージとは違う膨大な商品を仕入れることになるため、注意が必要です。
やり方③:複数の商品をセットで販売する
3つ目のやり方は、中国の企業・メーカーが製造した複数の商品を輸入して、セットとして販売する方法です。
PCのマウスとマウスパットなど、いくつかの類似商品をセットにすることで、オリジナル商品として販売できます。
日本にはまだない商品を見つけ、セットとして販売することができれば、簡単に収益を上げることができます。
中国OEMを行う際の注意事項
中国OEMは、誰でも簡単に参入できるビジネスです。
ただ、実際に行う際は以下の注意事項に留意しなければいけません。
- コピー品には要注意
- サンプル品と本製品が異なる場合がある
注意事項①:コピー品には要注意
中国OEMを行う際は、コピー品など違法な商品を掴んでしまわないように注意しましょう。
商品を選ぶ際、より多くの人に商品を買ってもらいたいが故に、人気ブランドに似た商品を選択してしまう方も少なくありません。
「これくらい大丈夫だろう」「少しデザイン違うし」など、軽い気持ちでコピー品をOEMしてしまうと、最悪逮捕されてしまう危険性もあります。
中国OEMでは「ノーブランド品」を取り扱うことが基本ですので、注意してください。
注意事項②:サンプル品と本製品が異なる場合がある
中国OEMでは、サンプル品と本製品が異なる場合があります。
中国の工場ではサンプルを製作する際に、余っている材料を使用することがあります。実際に大量生産する本製品とは異なる材料でサンプルを製作するため、サンプル品と本製品に違いが生じることがあるのです。
このような状況を避けるためには、サンプル品を受け取った時点で「この材料で製作してくれるのか」と確認することが重要です。
購入者からのクレームにもつながるので、注意が必要です。